夏至は、1年のうちで北半球の日照時間が一番長い日です。
1年の中でものすごく重要な日!とは言い切れませんが、ただボーッと過ごしてはもったいない日であるのは確か。
なぜなら、夏至は、冬至へ向けてエネルギーのベクトルが変わる節目であり、1年の前半を振り返り、後半に思いを馳せるのに最適な日だからです。
この記事では、当日におすすめの食べ物や、夏至に作っておくと下半期をサポートしてくれる「秘密の護符」の作り方をご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
「暦」「時間」「スピリチュアル(エネルギー)」「陰陽」などの視点から語られる、深~い夏至のお話も必読です!
取材・文
長谷川 恵子(ライター・編集者)。
企業勤務を経て、フリーライターとしてビジネス誌や企業、自治体の広報誌の取材・執筆に携わる。現在は書籍制作とWebライティングで多忙な日々。
監修:横浜中華街「盛華」
陣崎 マリア(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。運勢・運命・家相・方位鑑定を得意とする。手相でもプロの資格を持つ。
張 愛りん(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。サイキック能力を活かした運勢・運命鑑定を得意とし、 西洋占星術の資格も持つ。
夏至とは
夏至とは、中国や日本で使われる暦に基づいた二十四節気のひとつです。
この日、北半球では日の出から日の入りまでの時間が1年で最も長くなります。(南半球では逆に、その時間がもっとも短くなります。)
ですが。こんな感じの型通りの説明だけ続けても、面白くないですよね。
なので、ここからはちょっと違った角度からお話ししてみたいと思います。
たとえば夏至を1日の時間でたとえると、正午です。
*地球暦とは、新しいマヤ暦としてマヤ族の長老たちに正式に認められた暦
夏至を月の満ち欠けになぞらえると、満月になります。
冬至が新月、春分が上弦の月、夏至が満月、秋分が下弦の月というふうにとらえることができます。
また、二十四節気には二つの至(夏至、冬至)、二つの分(春分、秋分)、四つの立(立春、立夏、立秋、立冬)があります。
夏至は、風水の基本である陰陽思想で言えば陽の気がピークを迎えた状態です。(陰の気のピークが冬至。)
でも、太極図を見ればわかるように、陽が極まっても全部真っ白にはなりません。陰の名残もちょっとは残っています。
そういう意味で、夏至は完全な陽ではないですが、自分の中でひとつの区切りのタイミングになる日なのは間違いありません。
こんなふうにとらえていくと、前よりもはっきりと「時」の感覚がつかめてきませんか?
夏至はいつなのか
夏至は、世界時で毎年6月21日か22日にその瞬間を迎えます。
日本の夏至は、2024年は6月21日(火)5時51分です。
2055年まではずっと6月21日です。
夏至のスピリチュアルな意味とは
季節の移り変わりと私たち人間の変化を、エネルギーの流れで説明していきましょう。
冬至の頃は、人のエネルギーも、たとえば赤ちゃんが子宮の中にいる時のように縮こまっています。
私たちの日常でも、寒い時は熱が逃げないように自然と体を丸めて、体内にエネルギーを蓄えていますよね。
冬を過ぎると、エネルギーはちょっとずつ上昇します。頭をうなだれていたのがちょっとずつ上がっていくような感じで、少しずつ解放されていきます。
夏至は、蝶のように、古いさなぎを脱ぎ捨てていくタイミングともいえます。
でも、人間が一気に変身するのは難しいので、段階的にやっていくことになります。その移行期間として機能するのが、季節の変わり目にやってくる土用です。
夏至を過ぎてちょっと経つと、夏の土用の期間に入ります。そこで18~20日間ぐらいかけて、身にまとった古いものをゆっくり脱ぎ去ったり、デトックスしたりして立秋を迎えます。
立秋の頃は、まだ8月なので外の世界は真夏ですが、実際はようやく陽の気を脱ぎ捨てる感じになっていきます。今度はここから、冬至に向けての支度が始まります。
夏至から秋分に向かってエネルギーは下がっていき、秋分から冬至に向かってまた急激に下がります。
逆に、冬至から春分までは徐々に上がっていき、春分になって一度まわりを見渡すポジションに立つと、そこからエンジンを加速させて、夏至までの間は一気に上り坂になります。
らせんのイメージだと、振り返ったときに過去の同じ時期のことがよく見えます。そこから情報を得て、次の上り坂をどうするかを考える材料にできるのはありがたいことですね。
夏至と風水
風水はそもそも何かというと、いわゆる良い気を取り入れることによって運気を良くしていくためのものです。運気を良くするためには、自分自身はもちろんですが、暮らしている環境も良い気に満ちるように整えていかなくてはいけません。
萬年暦には3種類の「盤」があります。年ごとの変化を示す年盤、月ごとの変化を示す月盤、毎日の変化を示す日盤です。
年盤と月盤は、つねに陽から陰に向かって進みます。この巡りを陰遁(いんとん)といいます。
人間は生まれた時は陽だけの存在です。でも、一日一日、死に向かっているので、どうしても人間は陰のほうに流れます。だから年盤や月盤は陰に向かってつねに動いていくという法則があるんです。
一方、日盤は、年盤や月盤とは違って陰遁だけではなく陽遁(ようとん、陰から陽への巡り)もあります。つまり、陰遁と陽遁が切り替わりながら巡っていきます。
萬年暦では、陰に向かっていくエネルギーが、二十四節気のように12月の冬至で陽に切り替わることはありません。日にちの陽遁と陰遁の巡り方も、毎年違います。
【夏至の食べ物】太陽と大地のエネルギーをいただく
根菜たっぷりの赤いスープ
夏至の時期の食べ物としてよく話題にされているのが、タコですね。
関西ではよく、夏至から11日目にあたる半夏生(はんげしょう)と呼ばれる頃に食されるようです。昔の人が「稲穂がタコの足のように八方に根を伸ばすこと」を願って食べたのが由来だとか。
でも、「目覚めの風水」が夏至の時期におすすめするのはスープです。
トマトの入ったガスパチョなどの冷たいスープか、冷たいのがダメな人は、野菜たっぷりのミネストローネを食べましょう。どちらの場合も、にんじんや玉ねぎなどの根菜を多めに入れてください。
トマトの赤は陽のシンボル。夏至は陽の極みなので、太陽神・天照大神に感謝して、そのエネルギーを取り込むとよいのです。
根菜多めがおすすめなのは、節目節目に大地のエネルギーを取り入れることが私たちにとって大事だからです。
大地のエネルギーをいただいて、こちらは無事に過ごせたことへの感謝のエネルギーを返す。そういう循環を生み出せるとよいわけですね。
気をつけたいのは、たくさん食べすぎないこと。たくさん食べるとエネルギーが重くなるので、こういう日は体を軽くすることが大事なのです。
中華のちまき
夏至に限らず、蒸し暑いこの時期におすすめの食べ物に、ちまきがあります。
旧暦の5月5日は、新暦では6月です。中国ではこの時期に端午の節句を迎えるので、もち米で作ったちまきを食べる風習があります。
6月に入ると急に暑くなって体調を崩すことも多いので、病魔を祓うためにちまきを食べるという意味もあります。
横浜中華街でも毎年「端午節」の行事を開催していて、各店がオリジナルのちまきを販売しています。
中華街で買えるちまきで『目覚めの風水』のおすすめは、中華菓子屋さん『聚楽』自家製のもの。お肉や干しエビなどのうまみがたっぷりで美味しいです。機会があればぜひ食してみてください。
【夏至にすること】朝日を拝み、感謝の護符を作る
朝の太陽を拝む
夏至の朝には、太陽を拝んで感謝しましょう。
ご来光というと初日の出というイメージが強いですが、元旦だけでなく、二十四節気でターニングポイントとなる日には、その都度太陽の光を見ることが大事です。
感謝の護符を作る
この先の半年間を考えるうえで、冬至から夏至までの半年間を振り返るのは大切なことです。
そこで、夏至の日の一番のおすすめは、この半年間で自分が感謝することをリストアップして、自分のお守りにすることです。
感謝の護符の作り方
護符を作る手順
- 小さめの便せんか、A5ぐらいの大きさの上質の紙を用意します。
- シルバーかグリーンのペンを用意します。
- 2023年の冬至から2024年の夏至までの期間を振り返り、「感謝すること」を書き出します。
- リストの書き方は、箇条書きでもなんでもOKです。思い出せるだけ、いくつ書いてもかまいません。ひとつだけでも大丈夫です。
- 感謝のリストを書くときは、自分にとっての吉方位を向いて書きましょう。九星でわかる本命卦と吉方位の早見表を参照してください。(自分の九星がわからない人は、まず九星早見表で確認しましょう。)
- 書き終わったら、折りたたんで小さな袋に入れます。袋は自分がいいなと思うもの、ステキなものを使ってください。
- これで、自分のための護符の完成です。冬至まで持ち歩きましょう。
書いた数だけエネルギーが増えるわけではないので、無理にたくさん書く必要はありません。
なぜ感謝を書くのかというと、感謝は何かを増幅させるのに一番有効な方法だからです。
そして、去年の冬至から今年の夏至までのこの半年の出来事に感謝するということは、これからの半年にも影響を与えます。
その2つはセットであり、両方を合わせることで1年が完成するからです。
陽のエネルギーがピークを迎えるこの節目にふさわしい過ごし方をして、1年の後半をより実りあるものにしていきたいですね。
まとめ
Summary
- 夏至は、北半球では1年のうちで昼間が一番長い日。
- 日本の夏至は、2024年は6月21日。それ以降も2055年まで6月21日。
- 夏至はスピリチュアル的に言うとエネルギーがピークを迎える日
- 夏至を境にエネルギーの衣替えが必要(不要なものを脱ぎ捨て、デトックスする)
- 夏至は陰陽で言うと陽が極まる日
- 夏至におすすめの食べ物はガスパチョかミネストローネ
- 旧暦の端午節にあたるので、中華のちまきを食べるのもよい
- 夏至のおすすめ行動その1…夏至の日の朝日を拝んで感謝する
- 夏至のおすすめ行動その2…過去半年間を振り返って感謝することを書き、護符を作る