
玄関は、風水的にどこよりも大切な場所。
今回は、玄関の風水をインテリアという大きいワクでとらえてみましょう。
別の記事で、玄関の鏡、絵、置物、観葉植物などを取り上げていますが、インテリアを構成するアイテムは、ほかにもいろいろあります。
壁紙、玄関ドア、照明、下駄箱。玄関の内側に傘立てや自転車、椅子を置いている人もいますよね。それらも当然、私たちに風水的な影響をもたらします。
玄関の中でも大きな面積を占める壁紙やドアは、どう考えたらいいのか?風水上、玄関に置くのはNGなアイテムや、正しいお手入れ方法は?
通常はあまり注目されないものも取り上げて、スルドイ切り口で解説していきます。
しっかりポイントをおさえて、今日から「幸せを呼ぶ玄関」にしてくださいね。
取材・文
長谷川 恵子(ライター・編集者)。
企業勤務を経て、フリーライターとしてビジネス誌や企業、自治体の広報誌の取材・執筆に携わる。現在は書籍制作とWebライティングで多忙な日々。
監修:横浜中華街「盛華」
陣崎 マリア(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。運勢・運命・家相・方位鑑定を得意とする。手相でもプロの資格を持つ。
張 愛りん(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。サイキック能力を活かした運勢・運命鑑定を得意とし、 西洋占星術の資格も持つ。
玄関の風水とインテリアアイテムの関係
ドアを開けた瞬間、目に飛び込んでくる玄関のインテリア。
玄関は家の顔であり、訪れた人にとっては、そこに住むあなた自身の印象と重なるものです。
その上、インテリアの状態によってあなたの運気も変わります。
住み慣れて空気のようになっている壁やドア。「必要だから、便利だから」となにげなく玄関に置いた、傘立てなどの実用品。
それらの影響を、あなどってはいけません。もし風水的によくない点があれば、できるだけ改善していきましょう。
ここでは、とくにユーザーの方々の関心が高いアイテムを中心に、一つひとつ解説していきます。
玄関にのれんをつけるのは風水的にどうなのか?

玄関ののれんは、のれんの材質や形にかかわらず、基本的にはない方がよいものです。
ただし、時と場合によります。たとえば、アパートにみられる、「玄関から入ったらすぐにキッチンで、それに続く部屋からベランダまで一直線に見通せる」といった間取り。
そういう場合は、のれんをかけておくと、玄関から入ってきた気が一直線に外に出るのを防いでくれるので、むしろおすすめです。
でも、玄関の先にある程度の長さの廊下があるなら、あえてのれんをかける必要はありません。
季節的には、夏は風を通すために、玄関ドアを少し開けている人もいますよね。そういう場合も、のれんがあると、気が抜けるのを遮断してくれるので、あったほうがいいです。
また、いわゆる「魔」が、のれんによって遮断されることもあります。
よく飲み屋さんの入り口にのれんがかかっているのも、いろいろなお客さんがいろいろなものを持ち込むので、入る前にそれを落としてもらう意味もあるのでしょう。
魔を祓うという意図で使うとしたら、その意図を明確に持つことが大事です。
玄関の壁紙を風水的に整える方法は?

古典的な風水には、壁紙でどうにかする発想はない
「風水を考えて家の壁紙をラッキーカラーに替えた」。
そんな話をあなたも耳にしたことがあるのでは?
でも、実は、古典的な風水では、玄関でもそれ以外の場所でも、壁や壁紙のことはあまり話題になりません。

もし、その玄関に五行(木火土金水)のどれかのエネルギーを足した方がよい場合は、その五行のインテリアグッズを使うのがオーソドックスなやりかたです。
たとえば、玄関で一番目立つ玄関マットの色や、下駄箱の上の置物などで色を足してエネルギーを調整する、といった対応になります。
目覚めの風水のおすすめ「壁紙風水」

基本的には、白い壁紙にはすべての色が含まれるので、最も無難で、どの方角の玄関にも対応できます。でも本当は、白一色よりは他の色を足した方が、運は動きます。
ということで、運気アップを加速させるために、手軽な方法として、マスキングテープなどのグッズを使って壁の一部に色を加えることをおすすめします。
加える色は、自分が一番ほしい運とリンクした色です。自分の望みに合う色がどれなのかは、八卦(はっけ/はっか)から導き出すことができます。
八卦とは、易学における、自然と人生を支配する基本的な要素のこと。「乾(けん)、兌(だ)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)」の八つがあります。
それぞれの卦は、この世のあらゆる事象と対応しています。上の図のような方位や九星のほか、「色」や「運気」などとも対応しているのです。
八卦に対応する色と運気
- 乾:白、シルバー 仕事運、独立運、援助運など
- 兌:ゴールド 恋愛運、金運、勝負運など
- 離:赤、紫 名誉運、学問・芸術など
- 震:新緑色 発展運、才能運など
- 巽:ターコイズ 対人運、信用運、結婚運など
- 坎:黒 物質運、健康運、副収入など
- 艮:紺 家庭運、住居運、蓄財運など
- 坤:朱色、橙色 友人運、不動産運、兄弟運など
この一覧を参考に、「自分が欲しい運とリンクした色」を壁紙に加えることで、運を動かすことができます。このとき、玄関の方角は考慮に入れないでOKです。
玄関の方角がどこであっても、たとえば金運を上げたいならゴールド、才能を伸ばしたいなら新緑色というふうに、ほしい運を表す色を加えます。
壁に色を塗れる状況なら、直接、床と並行に、幅20センチぐらいの帯状に色を塗ります。自分で塗るか、業者に頼める人は頼むといいでしょう。
塗るのが難しいなら、DIYショップなどで手に入る幅広のしっかりしたマスキングテープや、はがせる壁紙(リメイクシート)などを手に入れて、上げたい運とリンクする色を、床と並行に帯状に貼っていきます。幅は、やはり20センチぐらいに仕上げます。
幅20センチの根拠は、廊下のサイズを考えると、色の存在感を出すためにはそれくらいの幅が必要だからです。「これを実現したい」という自分の意図をインプットしていくためにも、目で見てはっきりわかるようにすることが大切です。
どの範囲まで色をつけるかは、家の構造にもよりますが、「このへんまでが玄関の壁だ」という自分の感覚で大丈夫です。
入り口から玄関マットのある位置まででもいいし、廊下の途中まででもいいし、リビングの扉の位置まで貼ってもかまいません。

玄関に置いた傘立てはOK?NG?

玄関の内側に傘立てを置くのは、風水的にNGです。濡れた傘が置かれ、そこに停滞した水がたまって放置されるという状態が起きてしまうからです。






ただ実際は、傘立てが風水上良い仕事をしてくれる場合もあります。

そういう活用のしかたはあるものの、やはり、大切な玄関の内側に傘立てを置くのは要注意。
もし傘立てを置くなら、家具と同じような感覚で傘立てを選び、使い始めたらいつもカラッと清潔に保てるようにケアすることは必須です。
賃貸アパート・マンションの玄関の外に傘立ては置かないこと
つけ加えておくと、賃貸アパート・マンションに住んでいる場合は、傘立てを玄関の外に置くことはできません。
廊下は共用部分と呼ばれていますが、そこはオーナー等が所有するスペースです。住民が許可なく私物を置いてはいけないのです。
また、消防法でも禁じられています。災害時などに避難の妨げになる恐れがあるからです。
傘立てだけでなく、自転車、キックボード、ベビーカー、観葉植物や花などを置くのも禁止行為です。
「何も言われないから」と、それらを置いてしまう人もいるようですが、実際は他の人の迷惑になっている可能性が大です。
さらに、通った人が「邪魔だ」と感じたり、イラッとすると、私物を置いた人に向かってネガティブなエネルギーが飛んできます。
共用部分に勝手に物を置くことは、法規に反するだけでなく、自ら邪気を呼び込む行為でもあるのです。
ということで、賃貸アパート・マンションに住んでいる人は、玄関の外に傘立てはもちろん、よけいなものは一切置かず、スッキリ清潔にしておきましょう。
玄関ドアの色は何色がいいの?

結論から言うと、ドアの色で玄関の風水を調節するよりも、他の手段を使う方が無難です。

そもそも集合住宅では自由にドアの色を変えることはできないし、できるとしても、壁紙の場合と同じく、毎年の九星の巡りの問題が出てくるからです。
つまり、毎年巡ってくる星からも各方位が影響を受けるので、特定の色が玄関ドアのように大きなスペースを占めていると、影響を緩和するのも大変です。
というわけで、玄関ドアそのものにこだわるより、マットや置物の色でインテリア全体として風水を調節する方が簡単なのです。
ただ、これから家を新築・改築したり、新たな物件を借りる場合は、ドアに関してもある程度自分で選べますよね。
そのとき風水的に注意すべき点があるとしたら、「そのドアが醸し出している雰囲気」です。
メタリックな材質で色はシルバーとか、冷たい印象のドアは基本的にNGです。




風水を考えるときは、自分の家に対する認識はどうなんだろう?と確認したほうがいいかもしれませんね。

玄関に自転車を置くと運気が下がる?

本来は、玄関に自転車を置くのはNGです。
動くものだからよくないという意味ではなく、泥やホコリで汚れたものを当たり前のように玄関に持ち込むのがよくないのです。
ただ、丸いものは金のエネルギーなので、もしその玄関に五行として金の性質が必要なら、車輪のついたものを置いてもOKです。でも、その場合も車輪をきれいに拭いてから置くことが必須です。
また、もしその自転車が上質なもので、自分でものすごく大切にしているなら、ありかもしれません。




結局、風水的に良いインテリアを実現したいなら、自転車にかぎらず、家の中に入れるものに対して無頓着ではいけないのです。
アイテムに対する良い意味でのこだわりや感謝の気持ちがあり、お手入れもきちんとする。そういう姿勢が開運インテリアにつながります。
暗い玄関の照明はつけっぱなしにするべき?

基本的に、暗い玄関や火のエネルギーの必要な玄関は、照明がついている方が風水的にバランスがよくなります。
玄関が暗いと、どうしても気が冷たく重くなってしまうのです。
でも、日中は、玄関の見た感じは暗くても外の陽のエネルギーを受けられるので、エコの観点からも照明を消していてかまいません。夕方になって外も中も暗くなったタイミングでつければ大丈夫です。
玄関の内側の照明を夜通しつけておくことに抵抗があるなら、玄関の外の照明をつけておくことで対応できます。

ピカピカに明るく照らす必要はなく、「そこに照明があること」が大切です。

玄関の下駄箱の注意点とは?

下駄箱の上に物を置くことを考えると、下駄箱が玄関ドアを背にして右側(青龍の位置)にあると、風水的にバランスがよくなります。
でも実は、下駄箱の位置よりもずっと重要なのが下駄箱の中の状態です。

また、開けた時にいやな感じがしないように、内部がスッキリと整理されていることが大切です。シューケア用品なども、きちんとまとめて整理されていれば、下駄箱に入っていてかまいません。

玄関のゴミ箱はやっぱり風水的にダメ?







インテリア以前に、そもそも、玄関という風水的に一番大切な場所にゴミ箱を置いて、開運モードになれるでしょうか?
ゴミの入った箱がどんなエネルギーを発しているかを考えたら、おわかりですよね。
しかもゴミ箱は、いやなにおいが発生します。とくに南東や西はにおいに敏感な方角なので、それらの方角にそういうものを置くのは最悪です。ゴミ箱はNG!と覚えておきましょう。
玄関に椅子を置くのは風水的にOK?

玄関に椅子があると、紐靴やブーツなどを履くのに便利ですよね。必要なら、椅子を玄関に置いてもOKです。

たとえば仕事用のカバンや荷物などを、玄関にある椅子に一時的に置くのはかまいません。床に置くよりはずっとマシだからです。でも、できるだけすぐに移動させましょう。
風水では、床にカバンを置くのは「人生の足かせが増える」といわれるNG行動です。
たとえ椅子の上であっても、置いたまま放置すると玄関の気が乱れるので、気をつけましょう。
靴を玄関のたたきに並べるのは風水的にNG?

風水では、玄関のたたきに出しておく靴の数は、住人の数プラス1まではOKといわれています。
でも、ずっとそのまま置いてよいということではありません。外で履いて帰ってきた靴を、湿気を取るために、一時的に出しておいてかまわないという意味です。
本当は、玄関には靴を並べず、全部収納しておくのがベストです。たたきが靴置き場にならないように気をつけましょう。

また、外で履いた靴からは邪気が持ち込まれるので、玄関のたたきは1日1回拭き掃除をして、いつもクリアに保っておきましょう。
まとめ
Summary
- 玄関のインテリアの風水は絵や置物以外にもさまざまなアイテムから影響を受ける
- 玄関ののれんは基本的にNGだが、間取りや目的によっては有効
- 古典的な風水は壁紙にあまり注目しない
- ほしい運気にマッチした色を壁紙に加えると運気アップが速まる
- 玄関の傘立ては風水的にNGだが、上質なものをきちんとケアして使うならOK
- 家の玄関ドアは基本的に、冷たい印象のものより温かみのあるものがよい
- 風水的に玄関に自転車を置いてよいのは、上質で大切に管理されている場合だけ
- 暗い玄関に照明は必要だが、24時間つけっぱなしにしなくてもよい
- 玄関の下駄箱は位置よりも内部が清潔で整理されていることが重要
- 玄関(メインの入り口)にゴミ箱を置くのは厳禁
- 玄関に椅子があっても風水上問題ないが、物の置き場にしてはいけない
- 玄関に出してよい靴は住人の数プラス1まで
- 下駄箱に入りきらない靴は白い箱に入れて収納する