「秋分の日とは?」と聞かれて、多くの人が思い浮かべるのは何でしょう。
祝日でお休みとか、昼と夜の長さが半分ずつとか、お彼岸とかおはぎとか。
それも確かに正解です。
でも、時の流れという視点から見ると、思う以上にとても重要な日だとわかります。
そこで、今回は今年の秋分の日はいつなのか、おすすめの食べ物は何かといった基本情報から、私たちのライフサイクルを踏まえた秋分の日のスピリチュアルな意味までを解説しました。
この秋から新たな気持ちでスタートしたい人、もっと運気やエネルギーをアップさせたい人は必読です!
取材・文
長谷川 恵子(ライター・編集者)。
企業勤務を経て、フリーライターとしてビジネス誌や企業、自治体の広報誌の取材・執筆に携わる。現在は書籍制作とWebライティングで多忙な日々。
監修:横浜中華街「盛華」
陣崎 マリア(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。運勢・運命・家相・方位鑑定を得意とする。手相でもプロの資格を持つ。
張 愛りん(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。サイキック能力を活かした運勢・運命鑑定を得意とし、 西洋占星術の資格も持つ。
秋分の日とは
秋分の日の意味
秋分の日は「国民の祝日」のひとつで、法律の条文の中では「祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ日」とされています。
秋分の日は、春分の日と同じく、昼と夜の長さが半々になります。そして、太陽は真東から出て真西に沈みます。
極楽浄土は西方にあるといわれることから、昔の仏教徒はこの日を「極楽浄土へ直行できる日」と考え、祖先を祀ったり、仏事を行う日に決めていたそうです。
昼と夜の長さは?
昼と夜の長さが半々と書きましたが、実際は「ほぼ半々」です。
厳密には、昼のほうが夜よりも少しだけ長いのです。
春分と秋分の関係は?
二十四節気における春分と秋分は、どちらも昼と夜の長さがほぼ同じになり、1年のサイクルの中で、ちょうど反対側に位置しています。
春分から秋分までの中間地点には夏至があり、秋分から翌年の春分までの中間地点には冬至があります。
つまり、春分、秋分、夏至、冬至で、ちょうど1年を4等分するかたちになります。
季節の流れから見ると、春分は種をまく時期、秋分はまいたものを刈り取る時期です。
秋分の日とお彼岸
日本では、春分も秋分もお彼岸の時期と重なっています。
春分の日の前後3日間、計7日間が春のお彼岸、秋分の日の前後3日間、計7日間が秋のお彼岸です。
この時期にお寺や霊園に行くと、たくさんの花やお供え物があり、お彼岸が日本の暮らしに根づいた慣習であることを改めて感じますね。
ちなみに、中国のお彼岸は年に1日しかないことをご存知でしたか?毎年4月4日か5日の清明節がその日です。
秋分の日は不動産の日、そして風水の日?
秋分の日とほぼ重なるものとして、9月23日の「不動産の日」も挙げられます。
制定したのは全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)です。
この日が不動産の日に定められた理由は、ひとつには秋は不動産取引が多くなること。もうひとつは、2(ふ)10(どう)3(さん)という語呂合わせが成り立つから、だそうです。
確かに秋は人事異動や転勤が多い季節。それに伴って、家の住み替えの需要も増えるわけですね。
また、涼しくなり、気分的にも落ち着いてくるので、暮らしや住まいを見直すのに適した時期でもあるでしょう。
運気を変えたいなら、または自分を変えたいなら、「手っ取り早いのは環境を変えることだ」と多くの識者が言っています。
とはいえ、そう簡単に引っ越しはできないですよね。
そこでおすすめしたいのが、部屋の掃除や片づけや模様替え。つまり風水的に環境を変えることです。
1年の大きな節目である秋分の日、そして不動産の日。風水で住まいの環境を整えて身も心もスッキリさせたら、案外早く、新たな展開が始まるかもしれません。
秋分の日、2024年はいつ?
秋分の日は一定ではなく、2099年までの間は、9月22日か9月23日のどちらかになります。
2024年の秋分の日は9月22日です。
この日の21時44分に太陽が秋分点に達します。
秋のお彼岸の食べ物
おはぎを食べる由来は?
秋分の日の食べ物といえば、秋のお彼岸の期間中でもあり、思い浮かぶのはおはぎですね。
おはぎを食べるようになった由来は、諸説ありますが、「小豆に魔除けの効果があるから」というのが有力なようです。
ところで、おはぎとぼたもちの違いは何でしょうか。
おはぎという名前は、小豆あんを秋の七草の萩に見立ててつけられ、ぼたもちという名前は、小豆あんを牡丹の花に見立ててつけられたといわれています。
どちらも江戸時代から食されるようになりましたが、元々、おはぎとぼたもちは形が違っていたり、片方はこしあんで片方はつぶあんだったり、いろいろあったようです。
でも、現代ではそのへんの区別はなくなり、材料や作り方、見た目もだいたい同じ。「秋に食べるのがおはぎ、春に食べるのがぼたもち」と思ってさしつかえないでしょう。
地方によってはまた別の定義もあるようなので、興味のある人は深堀りしてみると面白いかもしれません。
「中秋節」の行事食は?
秋分の日と近い時期に、中国の節句のひとつである中秋節があります。
中秋節は毎年旧暦8月15日と決まっていて、この日に見る月が「中秋の名月」です。
旧暦と新暦にずれがあるため、日にちは毎年けっこう変動します。2023年の中秋節は9月29日です。
中国では、中秋の名月を見ながら月餅を食べる慣習があります。月が見える場所にススキなどを飾り、蒸した栗、里芋、月餅などをお供えしてから家族で分け合って食べるのです。
横浜中華街でも、この時期だけのスペシャルな月餅が売り出されます。塩卵(シャンタン)の黄身の入った月餅です。
中華街の市場通りにある老舗、翠香園は、今はレストランですが、昔は自家製の商品が並ぶ中国菓子屋さんでした。今ではいろいろな所で食べられるごま団子も、昔はこのお店でしか買えなかったのです。
日本では中秋の名月といえば月見団子ですが、塩卵入りの大きな月餅を、親しい同士で分け合って食べるのも楽しそうですね。
おはぎや月餅のほかに、秋分の時期にふさわしい秋の食べ物というと、立秋の記事にも書きましたが、秋の五行にあたる「辛い、白いもの」。大根や玉ねぎなどがおすすめです。
秋分の日のスピリチュアルな意味
秋分の日は何をするとよいのか
秋分の日は昼と夜の長さが同じです。
つまり、陰と陽、光と闇が等しく存在する日だということです。
世界中の先住民は、「みんなが平等だと認識させてくれる良い日」だと位置づけています。みんなにスポットライトが当たり、平等にチャンスが与えられる日でもあります。だから、それを生かしたほうがいいんです。
チャンスを生かすには、たとえ一度失敗していても、あきらめかけていたことでも、「もう一度やってみよう」という意識を持つことです。
マヤ暦に採用されている地球暦では、春分の日から秋分の日の前までが上半期で、それ以降、下半期が始まります。
秋の語源は「飽きる」や「あきらか」から来ているという説もあります。
そうしたことから、秋分の日は時空の流れにいったん見切りをつける時、過去と未来をあきらかにして、1回リセットして次へスタートする時期ともとらえることができます。
「カタワレ時」という言葉は、元々日本語にはありません。人の見分けがつかない薄暗い時間帯、「彼は誰時(かわたれどき)」と、対になった相手という意味の「片割れ」をひっかけた造語と思われます。
そして、春夏秋冬を起承転結に見立てると、秋は転。
この日を境に夜がだんだん長くなり、人の意識も内側に向かいます。内省の時期を迎えるのです。
立秋は、過去を振り返って「自分はこんなふうにやってきたんだ」と立ち止まり、「これから自分は何を見たいのか」を考えるのに良いタイミングでもあります。
振り返る時は、反省も必要ではありますが、自分にとって良かったことに焦点を当てるのがおすすめです。
本当は日々それができればベストですが、「忙しくて、つい」ということもありますよね。
この機会にそういう部分をじっくり考えることは、必ずこれからのプラスになるでしょう。
レイライン上の神社や山へ行くのもおすすめ
秋分の日のもうひとつのおすすめ行動は、レイライン上にある神社にお参りすることです。
レイラインとは、元々はアルフレッド・ワトキンスという人が発案したもの。
彼は、イギリス中部の丘陵地帯に出向いた時に、丘の頂上をつなぐ道同士が一直線につながっていることに気づき、「古代の人々が意図的に作ったのではないか」というインスピレーションを得ました。『The Old Straight Track』という本も書いています。
彼の説はその後さまざまな人に引き継がれ、「古代の遺跡は直線的に配置されている」という仮説が生まれました。地下水脈や磁場との関係を指摘する人たちもいます。
レイラインと呼ばれているものは世界各地にあります。
日本にもいくつかあります。その一つが、千葉県の玉前神社から島根県の出雲大社までを結んだラインで、「ご来光の道」と呼ばれています。
同じ線上、つまり同じ緯度上に寒川神社、富士山、七面山、元伊勢など、いわゆる聖地がいくつもあり、しかも、春分の日と秋分の日には太陽がその線上を移動します。
春分の日や秋分の日には、とくに東の起点となる玉前神社は、日の出を拝もうとする人たちでにぎわいます。
また、七面山に登ると出世するという定説もあります。
一般には、「玉前神社の鳥居越しにご来光を見るのが一番ラッキー」とされていますが、レイライン上の神社や山はすべてパワースポットなので、どこを選んでもかまいません。
出かけるのが難しいなら、自宅で朝の太陽の光を見るだけでもよいでしょう。(太陽を肉眼で直視すると目を傷めるので、それは絶対に避けてください。)
「自分のいる場所がパワースポットだ」という考えもありますし、一番大事なのは太陽と自分のつながりを意識することです。
太陽の光にふれて、「半年後、春分の日を迎えた時自分はこうなっていたい」という、なりたい自分のイメージやビジョンがもし見えたら、それを紙に書き出してみましょう。秋分の日は、そうしたワークにも最適の日です。
まとめ
Summary
- 秋分の日は国民の祝日。祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ日
- 昼と夜の長さがほぼ半々になり、太陽は真東から出て真西に沈む
- 二十四節気では春分と秋分は反対側にあり、春分は種をまく時期、秋分は収穫する時期
- 地球暦では春分から秋分までが上半期
- 2024年の秋分の日は9月22日 21時44分
- 9月23日の不動産の日。風水的に住環境を変えてみよう
- おはぎを食べる由来は小豆に魔除け効果があるから
- おはぎは秋、ぼたもちは春のお彼岸に食べるもの
- 中秋節には月餅を食べるのがおすすめ
- 秋分の日は時空を1回リセットして次へスタートする時
- 過去を振り返って感謝し、これから見たいものについて考える
- レイライン上の神社へお参りするのもおすすめ
- 太陽を見て「なりたい自分」のイメージがわいたら紙に書き出そう