春分は、二十四節気の中でも最も重要な節目のひとつです。
暦のプロである「暦師」の間では、吉日中の吉日といわれているそうです。
2025年の春分の日はいつ?
そもそもどんな日?なぜ休みなの?
毎年の春分の日の決め方はどうなっているの?
そうした基本情報はもちろん、この時期の健康を守る食べ物や、スピリチュアルな観点から、春分からの1年を有益に過ごす方法もご紹介します。
12カ月の区切りとは違う、レアな暦の活用法を知って、あなたも「時」を味方につけてください。
暮らしの中で意識するだけでもエネルギー調整に役立ち、開運効果が期待できます!
取材・文
長谷川 恵子(ライター・編集者)。
企業勤務を経て、フリーライターとしてビジネス誌や企業、自治体の広報誌の取材・執筆に携わる。現在は書籍制作とWebライティングで多忙な日々。
監修:横浜中華街「盛華」
陣崎 マリア(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。運勢・運命・家相・方位鑑定を得意とする。手相でもプロの資格を持つ。
張 愛りん(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。サイキック能力を活かした運勢・運命鑑定を得意とし、 西洋占星術の資格も持つ。
春分の日、2025年はいつ?
2025年の春分の日は3月20日 です。
18時01分に春分(太陽の中心が春分点に達する瞬間)を迎えます。
春分の日とは?
春分の日とは、国民の祝日の一つです。
この日、北半球では、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。実際は昼の長さのほうが少し長いので、「ほぼ同じ」と覚えておきましょう。
暦師(暦を作る人々)の間では、春分の日は吉日中の吉日といわれています。
また、世界中のいろいろな場所に、春分の太陽に対応するいろいろなモニュメントが残っています。日本にも、複数のパワースポットが一直線に結ばれたレイラインがあり、春分と秋分には太陽がそのライン上を移動します。
春分の日が大切にされている理由に挙げられるのが、「世界中どこでも太陽が真東から昇って真西に沈む」ということです。その意味で、「すべての人が平等になるタイミング」ともいえます。
意識してその日を過ごすだけで、いつもと違う何かを感じられるかもしれません。
春分の日はなぜ休みなのか
そもそも春分の日はなぜ休みなのか、不思議に思ったことはありませんか。
その由来は、昔から行われてきた宮中祭祀にあります。
宮中祭祀とは、天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に行う祭典。
毎年の春分の日には「春季皇霊祭」という宮中祭祀が行われてきたのです。
この春季皇霊祭と秋分の日に行う秋季皇霊祭は、戦前の日本ではとても重視されていました。
そこから時は流れ、1948年に「国民の祝日に関する法律」が施行されて、春分の日も秋分の日も祝日となったのです。
春分と秋分の関係は?
二十四節気のサイクルでみると、春分のちょうど反対側に位置しているのが秋分です。
春分と秋分は、太陽の動きという点では同じです。どちらの日も、北半球では真東から太陽が昇り、真西に沈みます。そして昼の長さと夜の長さがほぼ同じです。
ちなみに「春分の日」「秋分の日」という言葉はそれぞれ「国民の祝日」を指しますが、「春分」「秋分」と表現される時は「二十四節気のひとつ」という位置づけだと思ってください。
春分点と歳差
春分点とは、黄道と天の赤道が交差する点のことをいいます。
黄道とは太陽の通り道。天の赤道とは、地球の赤道を天に延長したもの(赤道を天のスクリーンに映しているイメージ)。
地球の歳差運動(コマが首を振りながら回るように、回転軸が振れながら自転している)の影響で、黄道も天の赤道も、それぞれ傾いています。
つまり、黄道と天の赤道は平行な軌道を描かないので、必ず交わる地点があるわけです。
その交点は2か所あり、一つが春分点、もう一つが秋分点です。
そして、「太陽が春分点を通過した瞬間を含む日」が春分日となり、それを元に春分の日の日付が決まります。
春分の日の決め方は?
春分の日は、毎年同じ日になるとは限らないですが、どんなふうに決まるのでしょうか。
春分の日は、毎年、国立天文台が作成する「暦象年表」を元に決められています。
この暦象年表には、国民の祝日や二十四節気、雑節、さまざまな天文現象などの情報が記載されています。
そこで定められた春分日の日付が、前年の2月1日に「暦要項(れきようこう)」として官報に掲載され、正式な決定となります。秋分の日についても同じです。
春分の日とおすすめの食べ物
春の臓器、肝臓をサポートする苦みのある春野菜
五行でみると、春の臓器は肝臓です。
肝臓の最も大きな役目はデトックス。体内の老廃物を外に出すのが肝臓の仕事です。
冬に摂取した油ものなどはどうしても体内に溜まりやすくなります。運動不足もあいまって、血液やリンパの流れも滞り、よけいに老廃物がたまりやすくなります。
そのため、春は肝臓の働きが活発になりますが、それをサポートしてれるのが苦味のある春野菜です。菜の花やふき、春菊などを積極的にとりましょう。
肝臓のケアは目のトラブル防止にもなります。
春分の時期はいつも以上に旬の食べ物を意識する
春の五行である木の性質を持っているのは、酸っぱい・青い食物です。梅干し、ほうれんそう、小松菜、レモン、大麦、すでに書いた菜の花やふきも含まれています。
また、「春眠暁を覚えず」というように、スッキリと目覚めるのが難しく、昼間もウトウトしやすいのがこの季節です。
2025年春のお彼岸は3月17日から1週間。ぼたもちもこの期間に
春分の日は、先祖を供養する春のお彼岸の中日(ちゅうにち)でもあります。
2024年の春のお彼岸は、3月17日~3月23日です。
お彼岸は、極楽浄土と現世が最も近くなるといわれる期間です。
春のお彼岸の食べ物といえば、小豆やきな粉を使ったぼたもち(牡丹餅)ですよね。魔除けによいといわれる小豆にはデトックス作用もあるので、そういう意味でもおすすめです。
ぼたもちは、秋のお彼岸に食されるおはぎと同じものですが、季節の違いで異なる名前がつけられています。(おはぎとぼたもちの由来については、秋分の記事をごらんください。)
中国のお彼岸は4月の清明節のみ
これも秋分の記事に書きましたが、中国のお彼岸は1年に1回、清明節の日(例年、4月4日か5日)と決まっています。華僑の人たちもその風習を守っています。
お昼頃に厨房で調理していて、お手洗いに行くために他の人に代わってもらうと、まさにその時に地震が起きて、代わってもらった人が亡くなってしまったとのこと。
春分のスピリチュアルな意味とは?
春分と秋分、どちらも太陽の動きは似ていますが、エネルギーの点からみると春分は「スタート」、秋分は「収める」というと意味合いが強くなります。
春分から秋分までは、エネルギーが上昇していく時です。
春分は、これから一気に坂を上り始めるタイミング。どこに向かっているかというと、秋分というひとつの到達点に向かっていくわけです。これは、どんなふうに1年をとらえるかで変わってきますけど。
日本では、学校でも会社でも、3月、4月あたりを起点に新しい年度がスタートするのが一般的です。
その意味では、暦的な生き方として、「春分をスタートラインとして、次の春分まで」というサイクルを使うと、1年のプランを練りやすいかもしれません。
陰陽の視点から見ると、冬至から陽が始まります。花にたとえるなら、ある程度開花するのが春分、満開となって咲き切るのが夏至です。
春分の日にやることは、「自分の1年」を考えること
1年のサイクルを円で表して8等分すると、ちょうど春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至、立春という8つの節目になります。
私たちのエネルギー状態を考えていくには、実はこの8つの分類があれば十分。自分の中に持っている時の感覚を目覚めさせてくれるのが、この8か所の節目なのです。
上昇のエネルギーが強く、物事のスタートに最適な春分の日は、来年の春分までに何を達成したいかを考えるのにとてもよい日です。
1年後に自分が成し遂げたいことを紙に書いて、夏至、秋分、冬至といったタイミングで見直しましょう。
紙に書いておくと、節目節目で、「もっとエネルギーを注ぐべきか、引くべきか、誰かを巻き込むべきか」というふうに、行動の見直しをするのに役立ちます。
上半期の動きとしては、次のような流れで考えておくとスムーズです。
上半期の流れ
下半期は、今度は秋分から向こう半年間の計画をスタートさせ、立冬、冬至、立春という分岐点を経て、春分というゴールに至ります。
理想の状態をつくるポイントとは
理想の状態を作ることにあまり慣れていない、どうしたら良い目標を作れるのか知りたいという方もいるかもしれませんね。
ご参考までに、成功哲学で提唱されている目標設定の基準をご紹介します。
価値ある目標設定の基準
- 想像できる(私たちが実現できるのは自分がイメージできるものだけ)
- 信じられる(「自分を信じる」というところからスタートできるか)
- 達成できる(達成に不可欠な「意欲」があるか)
- コントロールできる(行動のペースを自分で調節できるか)
- 測ることができる(「いつまでにどれだけ」と数値で達成度を測れるか)
- それは自分が心の底から望んでいるものだ
- ほかの選択肢は浮かばず、これしかないと思える
- 自分自身だけでなく他の人々、そして社会にも有益なものだ
もしこの全部にチェックを入れられたら、それはあなたにとって非常に価値のある目標です。
この方法は、仕事や勉強の目標を立てるのにとても役立ちますが、プライべートな分野にも応用できます。
そして、必ずしも「大きな目標」にする必要はありません。
たとえば、身近なところでは「ダイエット」だって立派な目標です。成功すればいろいろな波及効果が期待できます。
体型がスッキリして自己イメージが高まれば、対人関係運も上がることでしょう。よけいな脂肪を落とせば健康運もよくなり、バリバリ働けたり、病院や薬のお世話になる機会も減って、ひいては日本の医療費の削減にも貢献できるかもしれません。
まずは、その目標をクリアした自分を想像して、心が喜びで満たされるか。そこから考えてみてくださいね。
節目として誕生日を加えるのもおすすめ
まったく同じ誕生日でも、生まれた時間や場所が違っていれば、その時間と場所のエネルギーがその人を司るので、人によってリズムが違ってきます。
また、エネルギーは、ずっと同じ質量で排出されるわけではありません。これまでの経験から、「1年の中でいつも調子が落ちてくるのはどのあたりか」といった記録もつけておくと、役に立ちます。
8つの節目
自分の誕生日
誕生日から3カ月後
経験的にわかっている自分の傾向
上記のことを1年を通して意識したり、折々の自分の変化を書き込むことで、自分なりの時間軸やバイオリズムをつかめるのです。
最後に、春分の時期のワークとしては、瞑想もおすすめです。途中で眠ってしまってもかまいません。大事な情報はちゃんと潜在意識に入っていくからです。
瞑想CD一覧
まとめ
Summary
- 2025年の春分の日は、3月20日
- 太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなる
- 世界の人にとって平等な春分の日は、吉日中の吉日
- 黄道と天の赤道の交点の一つが春分点、もう一つが秋分点
- 春分の日は、国立天文台の暦象年表を元に、前年の2月1日に正式決定される
- 春分の時期は肝臓のケアを心がける
- 食べ物は苦みのある葉物野菜がおすすめ
- 春のお彼岸にはぼたもちを食べる
- 旬のものをとくに意識して食べる
- 春分はスタート、秋分は収めるエネルギー
- 春分から秋分まではエネルギーが上昇する時期
- 1年を8つの節目で考えると時の感覚が目覚める
- 自分の誕生日も節目として意識するとよい
- 来年の春分までに達成したいことを紙に書こう
- 価値ある目標設定には8つのポイントがある
- 春分の時期は瞑想もおすすめ