二十四節気の中でも、立夏はあまり注目されない、やや地味な日。
でも、この時期の意味を知って大切に過ごすと、後々の成果が違ってくるのです。
立夏にはどんなエネルギーがあって、どんなふうに使うとよいのか。
おすすめの食べ物や花、端午の節句にまつわる風習など、暮らしに役立つ知識もいろいろお伝えします。
時のエネルギー、自然のエネルギーを上手に取り入れて、邪気払いと運気アップを同時に叶えましょう!
取材・文
長谷川 恵子(ライター・編集者)。
企業勤務を経て、フリーライターとしてビジネス誌や企業、自治体の広報誌の取材・執筆に携わる。現在は書籍制作とWebライティングで多忙な日々。
監修:横浜中華街「盛華」
陣崎 マリア(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。運勢・運命・家相・方位鑑定を得意とする。手相でもプロの資格を持つ。
張 愛りん(風水師・九星気学鑑定士)
横浜中華街コンシェルジュ。サイキック能力を活かした運勢・運命鑑定を得意とし、 西洋占星術の資格も持つ。
立夏、2024年はいつ?
2024年の立夏は5月5日 9時10分です。
立夏とは
立夏の意味
立夏は、暦の上での夏の始まりを表します。読み方は「りっか」です。
立春などと比べると、あまりなじみがない人が多いかもしれませんね。
1日の時間にたとえると、立夏は朝の9時です。
学校やオフィスもすでに始まり、みんなが動き出している時間です。
春分と夏至の間にある立夏は、人間の暮らしにおいては、2つの季節の狭間といえます。
そろそろ衣替えしようかな?どうしようかな?というあいまいな時期です。まだ肌寒い日もあったりして、夏服には早いかもしれなけどそろそろ、という感じです。
GWも重なり、人、モノ、お金など、経済的なことも含めていろいろなものが動きます。もちろん人間も動きます。
風水(環境)的にもそうですが、体内にもある程度陽の気がたまってきているので、活発になりたいという欲求が出てきます。いつもなら家にいるけれど、外でウォーキングしてみたいとか、走ってみたいとか思う時期です。
スピリチュアル的には、夏至に向かっていく上り坂のエネルギーに満ちていて、もっとも活動的な、動きやすい頃です。
追い風が吹いています。上りの最後の段階にさしかかる時であり、目的地が見えるところまで来ています。
仕事関係でも、ある程度形になっているものは、発表したり、市場に出したりしてもよい時期です。また、「いいところまで行っているけれど、まだ大ヒットまで行かない」という場合も、対策を練って追い風をもらう、そういう時期でもあります。
立夏の時期に新しく何かを始めた場合は、その年の立冬につながっていきます。つまり、二十四節気の正反対の時期に、何らかの答えが出てくるわけです。
同じように、立春に新しく始めたことのひとつの結果が、立秋に出てきます。
自分の行動計画や運気を考えていく上で、立春、立夏、立秋、立冬という「4つの立」を意識することも大事だと覚えておいてください。
立夏の時期の食べ物
苦い・赤い食べ物を熱して食べる
夏の五行に適した食べ物は、苦い・赤い食物です。トマト、ゴーヤ、パセリ、春菊、大根葉などがよいといわれます。
ただ、立夏の頃はまだ夏の始めで気温の寒暖差も大きいので、食べ方にひと工夫が必要です。
夏野菜は生で食べると体を冷やしてしまうからです。
十分温かい気候になるまでは生食はなるべく控えて、炒める、煮込むなど、熱を加えて食べるのがおすすめです。
端午の節句には柏餅や粽(ちまき)を食べる
立夏は、5月5日の端午の節句(祝日の子どもの日)とちょうど時期が重なります。
端午は「午月の初め」を意味しますが、午月とは新暦6月、つまり旧暦5月のことです。
ですから、本来の端午の節句は新暦6月なのですが、今の日本は新暦5月に行事を行っているわけです。
端午の節句の食べ物といえば、柏餅やちまきですね。
大きく分けると、関東は柏餅で、関西はちまきで祝うことが多いようです。
柏餅を食べる風習は、江戸時代の初期から始まったといわれています。なぜ柏の葉でお餅を包むかというと、昔から、お餅もそうですが、柏の葉が神事に使われてきたのが由来のようです。
柏の葉は”古代の膳(かしわで、原始の皿)“で、大嘗祭や新嘗祭ばかりでなく”神宮の供物”には”柏葉“を敷物や蓋にする。それに「柏の葉」は冬になっても落葉しないで、新芽が吹くと落葉するので、跡継ぎができるまで親葉が落ちないのでめでたい木の葉とされる。(伝えておきたい日本の伝統・季節の慣習 山蔭基央 マネジメント社)
ちまきに関しては、中国式のちまき(もち米を笹の葉で包んで蒸したもの)や、和菓子の細長いちまき(笹の葉で包んだ、米粉で作った甘いお餅)など、日本ではいろいろなものが混ざっています。
ちまきのルーツは、元々は中国です。
なぜ端午の節句にちまきを食べるようになったのでしょうか。そこには、古代中国、楚の時代の屈原という詩人の悲しい逸話があります。
国王の側近でもあった屈原は、王が謀略にからめとられるのを防ぐために進言しましたが、それが聞き入れられず、国の将来を悲観して、川に身を投げて亡くなってしまいました。
しかし、屈原が創作した愛国心あふれる詩は、後世の民衆にも愛されました。そこで彼の誕生日である5月5日に、その魂を鎮めるため、木の葉で包んだ米飯を川に投げ込むようになった。これが、端午の節句とちまきが結びついた始まりのようです。
ちまきについては夏至の記事でも書いていますので、併せてお読みください。
立夏の時期の花や植物
初夏にはいろいろな花がきれいに咲きそろいます。
立夏の時期の代表的な花に、藤、ツツジ、シャクナゲなどがあります。
藤はマメ科のつる植物で、日本固有の植物です。薄紫色(藤色)のほかに、白や薄紅色などの花をつけるものがあります。長く伸びる房が特徴で、満開になるととても華やかです。4月中旬から5月中旬頃まで楽しめます。
ツツジは、漢字で書くと躑躅。この漢字には、足踏みしたり立ち止まったりするという意味があり、「ツツジがあまりに美しいので、道行く人が足を止める」ということで、この字が使われたという説もあるようです。
一見ツツジと似ているシャクナゲ(石楠花)は、ツツジ科ではありますが、ツツジ属ではありません。シャクナゲのほうが、ツツジよりも大きく派手な花をつけます。
端午の節句のシンボルでもある菖蒲の花は、残念ながら立夏の時期にはまだ咲いていません。
菖蒲の葉や根を入れた菖蒲湯は、邪気を祓ってくれるとされ、今でも風習として残っていますね。お湯に入れると独特の香りが広がって、リラックス効果も抜群です。
また、昔は「強い武将のように出世してほしい」との願いを込めて、菖蒲の葉を束ねて作った刀で男の子同士が戦う遊びなどもさせたようです。
まとめ
Summary
- 2024年の立夏は5月5日 9時10分
- 立夏とは暦の上の夏の始まり
- 立夏は1日の時間にたとえると朝9時
- 夏至に向かう上り坂のエネルギーに満ちた時期
- 達成したいことへの追い風をもらえる時期
- 立夏に新しく始めたことは立冬に何らかの答えが出る
- 立春、立夏、立秋、立冬の節目を意識するとよい
- 立夏の時期は赤い・苦い食べ物を熱して食べる
- 端午の節句と重なるので柏餅やちまきもおすすめ
- 立夏の時期の花は藤、ツツジ、シャクナゲなど
- 5月6日は菖蒲湯で邪気払いをしよう